上海・成都で見た「それぞれの精彩人生」><お別れのHP

上海、成都の出張から帰ってきました。
今回は乗り換えに、一日上海で待機する時間があり、
お陰様で、上海で友達に会いに行ったり、
おしゃべりする時間がありました。


上海


●ビジネスホテル


中国で初めてビジネスホテルに泊まりました。
いつの間には、ビジネスホテルは
こんなに繁盛するようになったかと感心しました。
値段は168元〜300、400元の間、
部屋がこじんまりとしていて清潔。
一通りのものは何でもそろっている。
旧来の招待所とは異なり、
インターネットの接続口が完備していて便利。
聞く話では、4、5年前から中国で現れたそうです。
これじゃ、五輪も上海万博も一般の観光客でも困らない!

ちなみに、私が泊まったのは浦東にある
「中分(草冠あり)賓館」。
ヤオハンからまっすぐ黄浦江方向へ車で2分のところに
ぽっつんと建つ10階ほどの小さなビル。
毎日満員状態の「莫泰168」から車でわずか2分ですが、
開業半年でいつも空き部屋が多いらしい。
私が泊まったのは一泊188元の部屋で、
窓がないことには驚いたが、
どうせ、夜、寝るだけだったので、とくに文句はなし。



●陽子さん、中国手話と点字学習に頑張り中


 なんと、偶然に、泊まったホテルから徒歩10分しないところに
 知り合いが住んでいました。
 後で分かったことなので、驚きました。
 大昔のお茶の仲間、陽子さんのお宅です。
 余りにもの広さと夜景の広さに驚きました。
 陽子さんは旦那さんのお仕事で、三度目の中国駐在で、
 今回は一年前から上海で生活を始めました。
 陽子さんは日本では、手話と点字のボランティアをしていたため、
 上海でもさっそく手話教室に挑戦したようです。
 来て早々、初級と中級手話コースにさっそく通い続け、
 分厚い手話辞書を暗記する日々に明け暮れていたようです。
 今も毎週、手話コーナーに通い続け、中国人と手話による
 交流を楽しんでいるようです。
 中国の手話には、大きく「中国手話」と地方手話
 (「上海手話」、「北京手話」、、、など)に分けられ、
 共通語と方言の違いのようにに、
 微妙に異なっているとか、という説明をいただきました。
 見せていただいた日本の手話教材と中国の手話教材は、
 前者は会話中心、後者はもっぱら暗記重視の単語中心の作りになっていて、
 これにも驚きました。
 


●高校の同窓・Wさん  投資に目覚めた英語教師


 浦東の洋浦大橋の近くのマンションに、高校の同級生一家が住んでいます。
 はや10才の娘の母親になった彼女は、今、
 浦東の中学で英語を教えています。
 6年前に、4000元/平米で購入した100平米の家は、
 今は3倍近くに値上がりしたと言います。
 ところで、Wさんの家の
 応接間のソファーには、ノートパソコンが置かれて、
 家にいる時は常にインターネットにつなぎっぱなしにしています。
 この春から、遅れ気味ながらも、「個人投資家」になった彼女は、
 家に帰ると、インターネットで自分の株価や保有しているファンドの
 値動きをチェックしているようです。
 最近は市場が堅調なので、朗報が続き、
 4月に、5万元で買ったファンドはもう8万元に値上がりしたと
 微笑ましく教えてくれました。
 仕事は忙しくてたいへんのようですが、
 充実した毎日を送っているようで、何よりです。



●ドーラさん SOHO一族


 ドーラさんは新聞社で働いている友達で、ドーラはペンネームです。
 本社は北京にあり、上海に駐在しています。
 オフィスは自宅で、事実上の在宅勤務者です。
 虹口区のヨーロッパー風団地で、一人暮らししている彼女は、
 私が羨ましいほどの資産管理の達人です。
 マイホームは5年前に、6000元/平米で購入した内装付き中古住宅。
 今は16000万元になったとか。
 このほか、北京でも不動産があり、家賃収入が入ってきます。
 また、周りの友人の導きで、株の売買も順調です。
 100平米あるドーラさんの家は、友達や親戚たちの連絡ステーションのようで、
 一年中、ひっきりなしに泊まり客が来ています。
 ベランダの植木鉢に糸瓜が植えてあるが、何故か花ばかり咲き、
 糸瓜に成就できたのは、一本だけ。
 その大事な糸瓜は、
 前の日、原稿書きに追われ、野菜が買いにいけなかったため、
 ついに、卵と一緒に炒められ、糸瓜の「人生(瓜生)」を
 円満に成就したようです、とか。



●ウサギちゃん 公務員になった社会人一年生


 夜はドーラさん家の近くで、食事をすることになりなした。
 2週間前に、上海の地方公務員になった
 日本留学した時の仲間、ウサギちゃんにも声をかけてみました。
 充実した顔で、「今、公務員になるための研修を受けている」と言い、
 「ねえねえ、公務員の歌があることって、知ってる?」、と
 ウサギちゃんは歌い出しました。
 「我们是人民的公务员…♪」
 歌い出しを聞いただけで、笑い転げました。
 20年前で、中国で絶大な人気をかもし出した
 「我们是害虫,我们是害虫♪」
(農薬のコマーシャルソング)のメロディーとそっくりじゃないですか。
 なんと、自省心の強い歌でしょう(爆笑)。


 ウサギちゃんは最初の一年はテスト期間で、
 月給定額の半分で、1800元。しかし、22平米のアパートの家賃は1200元。
 「社会人になったって、最初の一年は学生同然。
  両親の仕送りがなければ生きていけないのよ」、と。
 ただし、公務員はたいへん良い職のようで、
 「先輩の話では、年末にはまとまって、良いボーナスがもらえそうで」
 とウサギは熱い期待を寄せていました。



株価指数5000ポイント突破、証券取引所見学


 先週は、株式市場は順調なブル展開でした。
 Wさんとドーラさんにそれぞれ案内してもらって、
 生まれて初めての証券取引所を見学しました。

 二箇所はどれも、Wさんとドーラさんの自宅から
 歩いて10分しない内にありました。
 どこもホールが満タンになるほどの人でした。
 興奮気味の笑顔の人が多かったで、
 高齢者や女性の姿が目立っていました。
 皆さんに学んで、真っ赤な電光掲示板をしばらく眺めてみました。
 1分しない内に、目の前が真っ赤かになり、めまいが起こす寸前でした。
 しかし、おじいさんたち、おばあさんたちは平然としていました。
 「時々、目をそらすと直るのよ」、と
 そばのおじいちゃんがアドバイスしてくれました。
 

 お弁当を持ってきて、朝から一日中いる人も多かったようです。
 家でインターネットを通して、取引する人が多いようですが、
 証券取引所に来れば、個人では入手できない情報が聞きつける期待もあるようです。
 間違いなく、ここは社交の場でもあるようです。


夏の暑さと負けぬほどに、投資に情熱を燃やしている上海でした。


成都
 
チベットに一番近い大都会〜


 チベットホテルに宿泊。
 丁度、ラサでは、チベット族のショトン祭りの期間のようなので、
 ホテルもお祭りを開催していました。
 ロビーで、チベットの各種様々な工芸品を実演しているコーナーがありました。
 北部の甘孜チベット族自治州から来た陶芸職人たちがいました。
 徳格県の辺鄙な山村から、4日間かけて、成都に出てきた若者二人です。
 今回は、地元のNGOの組織で成都に来たそうです。
 大草原で生まれ育った奔放なモンゴル族の青年と異なり、
 彼らは何とも言えない婉曲で、一抹の憂いの帯びた表情でした。
 学校に入ったことがなく、読み書きができない上、
 漢語(中国語)は本の少ししかできないため、
 自由に彼らと話をすることができませんでした。
 陶芸はNGOの開いた無料職業訓練教室で覚えたものだそうです。
 地元でしか取れない真っ黒な土に、特殊な金の鉱石を織り交ぜ、
 それで作った器で水を飲んだり、食器にすると、
 体に大変良く、長生きできるらしい。 
 徳格は伝統的な工芸品製造が盛んなところのようで、
 言ってみれば、チベットの「金沢」のようです。
 

 さて、「甘孜」で思い出しました。
 友達のYYが一ヶ月ほど前から修行の旅に出ました。
 訪れたのは、生き仏のいる甘孜のチベット仏教の寺院。
 さっそく、携帯にメールを送ってみたら、
 「朝晩がたいへん涼しくなり、一週間後に北京に戻る」との返信がありました。
 仏教聖地のチベットは、どれだけ人の心を洗浄できるのか、
 お土産話を楽しみにしています。


成都の「改良お握り」


 今回の旅で、最後に会った友達は、十年ぶりに会う坂本さんです。
 3年前から、広島から成都でボランティアで日本語を教えに来ている方です。
 坂本さんは、20数年前、友好省県の旅で、成都を初めて訪れた時、
 お土産品店で買い物していた店員さんの李さんの写真をとり、
 その後、日本から写真を郵送したのをきっかけに、
 李さん一家との親交を深めてきました。
 
 
 今、坂本さんは、李さんの家で下宿しています。
 食事はすべて李さん家族と共に食べ、
 学校で食べるお弁当まで、李さんと旦那さんが用意してくれます。
 お弁当は大体、お握りですが、
 坂本さんが作らせてもらえないようです。


 「坂本さんの作ったお握りは漬物に海苔だけで、おいしくはない。
  我々はミンチを入れたりして、栄養たっぷりのお握りにしているのよ」。


 四川の人はもちろん、お握りを作ってお弁当にする習慣はありません。
 お握りの作り方は坂本さんに教わったのですが、
 そのままではなく、
 料理に凝る四川人の食文化を生かしての「改良お握り」にしたようです。
 今回の旅で聞けた一番微笑ましい話でした。
 ところで、お握りではないが、
 李さんのご主人の作ったお食事、
 私もご馳走になりました。マジで本格派でおいしかったです。
 
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5年前、甲府で研修していた頃に、
気まぐれに作っていただいたHPは、
閉鎖することになりました。
長い間、お世話になりました。謝謝&さよなら!

http://www.uty.co.jp/nihao/index.htm
http://www.uty.co.jp/nihao/index11.htm