スキーin中国  ハルビンでは

「スキー産業」をテーマにした「高峰論壇(ハイレベルフォーラム)」が
中国で初めて行われました。
場所は中国の「氷雪の郷」のハルピン。
ゲストとしてフランス、イタリア、アメリカ、日本から代表が参加していました。
スキー用品やスポーツ関連の博覧会もハルビンで同時開催。
そして、その翌日からは黒龍江省のスキー祭り。


主催者の話では、
中国のスキー人口は10年前では2000人にも満たなかったが、
2009年現在では常連のスキーヤーは200万人にも達している。
2009年2月の春節連休中、黒龍江省を訪れたスキーヤーだけで
延べ600万人に達した。


また、全世界のスキー場の数は全部で6000ヶ所あまりあるが、
その中、中国には100ヶ所以上があり、そのうちの6割以上を占める
70ヶ所あまりが黒竜江にある。
ちなみに、以前の取材では、北京には10ヶ所以上(13〜14ほど)ある
ことを聞いたことがある。


ただ、年々増えつつあるスキー人口に比べて、
スキー用品の国内製造の力がひどく弱いままのようです。
スキー関連産業では、黒龍江省にスキーウェアメーカーが一社あるのみ。
その他、スキー板を初めとした機材や、造雪機などの設備は
すべて輸入に頼っている。

ハルビンはまた、スキー機材の店舗が集中している町でもあるようです。
オーストリアの大手メーカーのハルビン代理店によれば、
去年は金融危機が起きたにもかかわらず、
そのブランドの売れ行きは二桁の伸び率を保つことができた。
値段はピンからキリまであるが、中でも、
1セットあたり5000元前後のものが売れ筋。
数年前、年間数百セットしか売れていなかったが、
それが2009年度では3000セットあまり売ったそうです。
「この冬もきっと増えるだろう」と経営者は楽観視していました。


ただし、スキーブームの拡大とは裏腹に、
心配せざるをえない要素もあります。
それは、地球温暖化の影響がここハルビンにも影を落としたことです。
近年、あまり雪が降らなくなり、
気温も以前ほど寒くならなくなったようです。
私が到着した12月10日は氷点下7度ほど、北京とそれほど変わらない寒さでした。
「いつもなら、12月頭だと氷点下20度が普通なのに」とタクシーの運転手さんが
ぐちをこぼしていました。


気温上昇で、冬季アジア大会のメーン会場にもなっていた
黒竜江随一のヤブリスキー場でも、今年2月のユニバーシアードに備えて、
半分ほど人口雪でまかなわざるを得なかったとか。
世界規模でスキー人口が増えなくなった理由には
こうした気候変動の影響もあるとフォーラム参加者は
口をそろえて言っていました。


11日朝、博覧会の開幕式を覗きに行ってきました。




南方生まれの私には、想像を絶するシーンが見られました。
雪がこんこんと降る中、
なんと人々は野外に集まって動き回っていました!
それも、薄手の衣装を着て、太鼓をたたいたり、
雪の上でサッカーをしたりしていました!!
ぬいぐるみたちもたくさん歩いていました。
とにかくお祭り騒ぎをしていました。

冬は雪でも降れば、雪合戦もするが、長くは続くものではなく、
それよりも皆おとなしく家に戻り、
火鉢を囲んで御伽噺を聞くというのが私の冬の原風景でした。


雪国の人はほんとにタフだなと思いました!!