Better city, Better Lifeか
ざっくばらんに各界の人が集まっておしゃべりすることになりました。
上海万博のことが話題になりました。
万博が開幕してから3分の2が過ぎましたが、一番よく耳に入ることは「混雑」です。それ以外、中国社会にもたらした変化、もしくは未来につながる変化は何か、まだ良くは分かりません。
とりあえず今のところ、取り立てて騒ぎや事件になることもないし、すべてが順調に運ばれているようです。だから「つまらない」とは絶対に言えませんが、イベントより「常態」になりつつあるからの疲弊化が広がっているのでは、ということを心配しています。
少し前に、日本のネットメディアで読んだ内容ですが、上海万博において、大阪万博の「月の石」に相当するものは何か?「それは上海そのものだ」と記者が自らの結論を出していました。なるほどと頷けました。
一方、インターネットの普及と人間の感動する気持ちとの関係に興味があります。ネットは人々の視野を広げ、実体験もしくはバーチャル体験のチャンスを増やした一方、新鮮さやインパクトを与えようとすれば、今までの倍、数倍、数十倍、数百倍の努力が必要かもしれません。
もう40年前のように人々を容易に感動に巻き込むことができないかもしれず、それが21世紀の万博の難しさかもしれません。
ところで、今晩おしゃべりしていた同年代の日本人記者Sさんの話を面白く聞かせていただきました。
「愛知万博にも行ったので、パビリオンの一つ一つは取り立てて面白いとは思いませんでしたが、全体を通してみると、ベターシティー、ベターライブをモットーにしている上海万博は非常に面白かったです。これからの生活は今よりもさらに良くなるんだという確信が持てる点が羨ましく思い、まぶしく感じました」
Sさんは少年時代、筑波万博に行ったことがあり、「科学技術の魅力を知り、ゆくゆく大学は理工学部に進学しようと決めた」と言います。そして、「その時に受けた感動もあるから、ぼくは基本的に万博の開催を肯定的に見ています」。
子ども時代の筑波万博からその後の人生に影響を受けたことと言いますと、「未来への手紙」のプランで、21世紀の自分に送った手紙が届いたことがきっかけで、世界一週の旅に出た日本人の友達もいます。
どれも心温まる話です。しかし、それに比べて、「5時間待ち」「9時間待ち」が真っ先に聞こえる上海万博が今の子どもたちにどのような影響を与えることができるのか、まだ良く分かりません。何でも良いから、ぜひ何か残ってほしいというのが私の切なる願いです。
ちなみに、兄の子どもは「日本館でバイオリンを引いていたロボットを見た」ことが万博の一番の印象でした。
「待ち時間が長い」以外の何か良い感想をぜひ持ち帰ってもらえるような万博になってほしいなと思っています。
それよりも、大阪万博の時は「待ち時間が長い」ことは問題じゃなかったのかしら。
万博への見方と言うと、80后作家&カーレーサーの韓寒のコメントをどうしても思い出しせます。「ベターシティー、バッドライフ」をテーマにした講演が以下のリンクの後半で転載されていました。万博開幕前のスピーチです。
http://simue.com/blog/news-comment/twocold-comments-expo.html
ところで、Sさんが「眩しく」感じた今回の万博ですが、経済や社会の成長はこれからもずっと一直線に上り調子で発展していくことを誰にも保障しているわけではありません。眩しくなくなった時、どうすればよいのか、今から頭の中に入れて考えなければいけないのではとも思っています。
東京のゴミ処理のことを報道しています↓http://newspaper.jfdaily.com/xwcb/html/2010-08/31/content_404029.htm