スポーツとは何か?

去年の5月に帰国した元バレーボール選手・コーチ(東レアローズ)の程力鈞さんにお話が伺えました。

「スポーツとは、基本的に負けてはならないもの。良い試合をしたとしても、ずっと負け続けると観客が離れてしまう」。競争精神に欠け、しかも、近代文明のスポーツとは何かまったく心得ていない私にとって、やや意外な言葉でした。


先日、お話を伺いたソフトボールの李敏寛元監督のお話に共通したところが多くて、本当のスポーツマンシップは結局共通しているものが多いのだなと感心しながら、聞かせていただきました。


小学校の頃、テレビ中継で郎平の試合ぶりを見て、「バレボールの選手になる」と志を決め、技術系の両親の反対を押し切って、スポーツの道を選んだと言います。高校の時、国体開催の香川からの招聘で、当時、北京少年チームのキャプテンだった程さんは香川での留学生活を開始。その後、日本で高校、大学を出て、東レの選手、コーチとして活躍。通算、13年間の日本滞在。「いつか中国ナショナルチームでプレーしたかった。」子供時代の夢をあきらめることはなかったと言います。


一年前に故郷の北京に戻ってきた程さんは、今、中日間の選手の交流や、青少年チーム同士の交流を手がけることを目指して頑張っています。「スポーツに国境はない。アジア全体のバレーボール競技の向上ため、個人の力を発揮できる仕事を切り開いていく」と夢を語っていました。


日中双方のことに詳しい貴重な架け橋。バレーの指導でも「双方の良いところを取り出して、ミックスしている」。「日本で学んだテクニックなどをいつか中国チームに教えたいが、今は、バレーの今後に向けての基盤作りが大事だ」。
果たして、10年後、20年後、バレーボール業界からも「愛ちゃん」が誕生するのだろうか。そのような期待を持たせるほどのキャラクターでした。


193センチの長身で、一緒にいた同僚2人がかわいそうなぐらいにこじんまり見えました(笑)。