電話取材 雪害の被災地

 番組のため、夜、現場にいる関係者に電話取材しました。
張副鎮長はつばめの高校時代の同級生で、
ずいぶん色々お世話になっていた人でした。
小学校6年生の子どもの母であり、
人口5万人の鎮を管轄する立派な副長官でもあります。
腰が低く、本心から思っていることしか口に出さない誠実な人です。



(池州市のサイトから 市内の自由市場は雪の重みで倒壊したため、
 安全確保のため、食材はすべて道端で並べて売るようにしています。)
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 中国中南部の大雪の被害が続く中、被災地の一つである・安徽省池州市殷ワイ鎮の取り組みについて、29日、電話で取材しました。張華副鎮長が答えてくれました。
 殷ワイ鎮(「鎮」は市や県の下にある行政区画)は長江の南岸にある稲作地帯にあり、人口5万人。


Q 被災地の現状を教えてください。
A 雪は1月11日から降り始め、28日まで降り続きました。今、20センチほど積もっています。50年ぶりの大雪です。家屋が27軒倒壊し、農地の被災面積は1万ムー(約700ヘクタール)。主な作物は菜の花です。このほか、飼料の調達が出来ずに羊飢死したり、養鶏場が倒壊して鶏が死んだりする被害も報告されています。鎮内にある14の船着場がすべて閉鎖され、学校も繰り上げて冬休みに入りました。まだ油断はできませんが、今のところ電気の供給は正常で、けが人は報告されていません。
 

Q 今回の雪害に対して、鎮政府や市政府でどのような対策をとっていますか。
A 幹部一人一人の責任を明確にして、すべての村をカバーする救援体制を整えよう努力してきました。鎮の幹部に各村の担当を割り当て、村の幹部には各世帯の担当をそれぞれ決めています。とりわけ、重視しているのは、高齢者、身障者、低所得世帯の安全と生活確保です。
 担当の幹部は午前と午後の2回、かならず自分の担当の地区を視察します。家屋の安全確保にとりわけ、細心の注意を払っています。危なそうな家が見つかると、住民を学校などの避難場所や旅館、もしくは親戚の家に移すようにしています。また、食糧が不足している住民に対しては、米などの食料を支給するようにしており、衣類や布団の不足している住民に対しても、布団を支給するようにしています。
市政府は必要な災害救助資金を拠出したほか、防災作業グループを結成して、各村に泊まりこみで仕事に当たっています。今のところ、すべての住民が安全に冬を過ごせる準備が出来ています。


Q 張副鎮長の担当地区の様子は?
A 私は二つの村落を担当しており、人口がそれぞれ2500人ほど。このうち、高齢者、身障者、低所得世帯は合わせて12世帯、34人がいます。彼らの人身安全と衣食の提供に細心の注意を払っています。
 

Q 救助活動において、一番重視しているものは何ですか。
Aそれは、何よりも、問題を抱えている住民に対して家屋の安全確保や、食糧や衣類、布団の提供をすることです。また、ビニールハウスや自由市場の建物の強化工事にも取り組んでいます。春節が間近に迫っていますので、市場に十分な野菜を提供できるようにする、先日、安徽省の他の町で、野菜の自由市場が二箇所倒壊したこともあり、危いところを全部なくすようにしようと、今、皆で頑張っている最中です。


Q 大雪で生活に様々な支障が出ているようですが、物価のほうはいかがですか。
A 食糧の値段は多少値上がりしましたが、大幅な上昇はしていません。卵は一個0.45元だったのが、今は0.5元ちょっとになっている程度です。


Q 今後の気候の変化は?
A 今日は久しぶりに太陽が見られましたが、気象台の予測では、1日からまた大雪が降り、5日まで続くようです。何とか春節前に雪が降り止み、晴天になり、久しぶりの太陽の光で雪を融かしてほしいですね。そうなれれば、みなが安心して家族団らんして春節を迎えることができます。雪が融けない限り、私たちは現場から離れることはありません。