ボランティアに聞く、「行かないと一生後悔する」

友達の友達で、18日から成都へボランティアに行っている人がいます。
面識がないですが、ぜひともお話を聞きたくて、
強引に電話番号を教えてもらうようお願いしました。


李さん、30歳。
父親は四川の生まれ。本人は遼寧で生まれて、唐山で育ち、
現在は北京でサラリーマンをしている。


「じっと座っていられなかった。
 お金の寄付だけではとても自分の気持ちが表せるものではない。
 もし今回、自分が現場に行って、何かしないと、
 一生後悔すると思った」。


18日、11日間の有給休暇をとり、そく、
成都へ向かう航空券を購入したという。
行く事を決めた時は、まだ孤軍奮闘のままだった。
どこに向かい、何ができるかも良くは分からなかった。


1時間後に、先に成都に入った友人がいることを
思い出して、さっそく連絡してみることにした。
それがきっかけで、
ある仏教団体の催しているボランティアグループの活動に
参加することになった。


アメンバーが10人ほどで、
それに、北京、南京、上海、それから地元のボランティアたちが合流し、
ネットワークが組まれ、共同で活動を展開するようになった。
各種ルートから入手した情報に基づいて、
被災地に食糧、テント、水、薬品などの物資を届けるようにしている。
李さんたちは物資の調達や輸送のお手伝いをしている。
昼間は被災地に向かい、夜は成都の宿泊所に戻ってくる。


物資の購入から、トラックのチャーター代金など、
資金はすべて自分たちで出し合ったものか、
スポンサーシップで応援してくれたもの。
被災者たちにお金をそのまま渡すこともあるが、
それより、物資の入らない地方にものを届けることが大事だと言う。


「動き回っている時は、とくに感動的なこともなかった。
 地味な作業が多く、その多くは肉体労働だ。
 その上、移動に使う時間が多い。
 もちろん、だからと言って、無味乾燥と思ったことはない。
 それよりも、一緒に行動している仲間たちのすばらしい行動力に
 しばしば感動を覚えている。


政府筋とは別に、自分たちの組織力とネットワークで
秩序良く運行しているようだ。
「普段から、もっと色んなことを身につけ、
 もっと色々と蓄積を蓄えておけばよかったのに、
 と思うことが多かった。」


李さんもそうだが、仲間の多くは宗教の信者ではなく、
ただ、押さえ切れない気持ちで駆けつけ、一緒になった人が多かったようだ。
今回で結んだ絆は「もちろん、今後もずっと保ち続けていく」という。


一方、高ぶる気持ちだけあって、
現地に赴いたが、返って体力や力不足で、
現地の人に迷惑をかける例もあったという。
孤軍奮闘が避けるべきことだという。


一番大きな収穫は、
「生涯、値打ちのあることをしたと思えたこと。
 おかげさまで、もっと落ち着きのある、
 余裕をある態度で今後の人生を迎えられると思う。
 確かに、都会暮らしの自分はカラフルな生活があり、
 両親とも健在で健康だし、安定した職につき、
 職場の雰囲気も良く、恵まれた環境の中で生活している。
 しかし、競争が激しく、何かとプレッシャも強く感じている。
 時々、何のために自分が生きているのかも分からず、
 生活が単調なもので、空虚なものだと感じることもある。
 今回の体験を経て、人生について色々考えさせられた。
 北京に戻った後は、もう、悶々としたとりとめもない
 空想にふけることをしてはならないと思う。
 時間を大事にして、有意義なことをしたいと思う」。


中国のボランティア元年がこうやって幕が開かれた。


■日本からのメッセージ↓
http://japanese.cri.cn/151/2008/05/28/1@119152.htm