ウランバートルへの道は遠し

会社の出張で27日からモンゴル・日本へ行く予定になりました。
しかし、ひょんなことで、私にとって史上初の出発地空港泊の旅になりました。


■モンゴルの旅?北京空港の旅?■
北京空港から飛行機に乗れば、2時間ほどで到着予定。
CAは毎日1便、モンゴル航空は確か週3便と聞いています。
北京発の国際列車は週一回で、30数時間かかるようです。


出発前、知人からウランバートルへのフライトは遅れやすいと聞きました。
覚悟はできていましたが、
まさか10時間待たされた後、「キャンセル」通知が入るとは。


正規のフライト時間は朝7時45分。飛行機は160人乗り。


27日朝、搭乗手続き、出国手続きはすべて順調。
ところで、登場口で8時過ぎまで待っていても、
登場の気配はなく、「現地の空港では横風が強いため、飛行機は夕方18時半に離陸する予定」
という案内が入りました。
一行100人以上が空港内の「計時飯店(時間ごとに料金がチャージするホテル)」に案内されました。
窓のないロビーに通され、ソファや椅子やマッサージルームで休むことになりました。
お菓子や飲み物が提供され、インターネットの接続も可能なところでした。
前日は準備で眠れることができなかったので、おかげで、爆睡できました。
昼食を食べ、そして、メニューがほとんど一緒の夕飯も食べ終えて、
「よしゃ!!いよいよ搭乗の時刻になった!」と思ったところ、
5時半頃、溶けたチョコレートの染みをトイレで洗っていた時、
廊下から誰かの声が聞こえてきました。
「飛行機はキャンセルされた。ウランバートルは雪交じりの雨が降り、視界がよくなく、
 今日はもう飛べない!」


やれやれ。こうやって一行は、出国手続き取り消しの手続きを済ませ、
朝来た道をテープの巻き戻しみたいにして、空港を離れ、
付近の「首都空港賓館」に案内されました。
窓のないホテルのロビーではなく、外はまだ明るかったです。
やることもなく、時間も余裕があるので、
50キロ離れた自宅に戻り、余裕を持って忘れ物を取りに行ってくることができました。
しかし、時間とお金はもったいなかったなと思いました。


もう一度ホテルに戻ってきたのは夜9時半頃で、
夜の帳が下りてきたのにつれ、部屋の中には
うじゃうじゃとすばやく動き始めたものが見えました。
親ゴキブリに青年ゴキブリに赤ちゃんゴキブリでした。
せっかく布団が白くて、気持ち良さそうな部屋なのに!!


28日、中国は旧暦5月5日。端午節の日です。今日から3連休に入ります。
朝、ウランバートルからの情報では、
「快晴、風もなく、良いお天気」。
9時頃、なんとなくうわさが入り、もう出発できることが分かりました。
ホテルで一夜「人質状態」にされたパスポートと搭乗券をもらって、
待機してくれた2台のバスに乗り込み、無事空港へ向かいました。
さてと、搭乗手続きと出国手続きを無事済ませ、
10時50分に飛行機が発つと知らせられました。
「今日こそ問題ないぞ!」
誰もが信じて疑うことをしませんでした。
ところが、これから搭乗するぞ、という時に、昨日のシーンが再演されました。
ウランバートルは横風のため、気象状況が基準に満たせないため、
 飛行機は夜19時45分に出発することになりました。
 計時飯店でお待ちください」


えええええええええ????
28日朝7時45分発の便はもうすでにウランバートルに到着したことは聞いています。
それなのに、Delayした昨日の客たちはまたあてにならないDelayを待たなければならないとは。
2時間後の気候も予告できない天気予報じゃ、
天気予報ではなく、天気中継にしかなりません。
それにしても、何故、19時40分なら飛べるのか、信憑性がありません。
戦いの始まりだーーー


■CAの対応、どこが納得できなかったのか?■

ウランバートルでの予定はすでに明日に時間をずらしてくれました。
政府関係者や大使館関係者も数多く出席する予定のようです。
今日何とか到着すれば、かろうじて行く意義があります。
しかし、不確実になったとは、不安です。
先方にも迷惑ばかりかけていることになります。


一番焦っていたのは、私たち5人と、
初対面のビジネスパートナーを待たせているビジネスマンでした。
しかし、搭乗口には男性マネージャー1人と女性服務員2人で、
「私たちも搭乗の準備をしていたところ、突然知らせを受けただけです」と
責任の所在が不明でした。


では、CAのどこが納得できなかったのか?
考えた結果、客へのサービス精神が足りないだけでなく、
CA自身にとっても得にならないことばかりでした。


*2回とも搭乗口まで客を通してから、突然のDelayを知らせた。
 飛行時間は2時間。搭乗は30分前から。
 ということは、天気予報の能力は2時間半後のことしか分からないことなのか。
 もっと早く知らせてくれれば、客に出国手続きをさせないで、
 自宅に戻ってもらうか、CAより遅れて離陸予定のモンゴル航空に変えることも可能でした。
 結局、100人以上を待たせて、
 空港のホテルでの場所の提供、飲食の提供、専属従業員の配備をしなければいけませんでした。


*27日はモンゴル航空のある日でした。
 モンゴル航空は無事離陸し、無事到着しました。
 これに対して、「飛行機のサイズが違うし、安全基準に対する考えも違う」が
 解釈でした。
 しかし、そうとは言いながらも、
 急ぐ人にとって、選択肢の一つとして、
 モンゴル航空に変更する手があるという情報を提供しても良かったではないでしょうか。


*情報を全員に知らせる意識がなかったようです。
 少数固まっている乗客に知らせて、
 後はその人たちにムードを作ってもらい、
 なんとなく何か起きた雰囲気を全員に察してもらうやり方のようでした。
 私は飛行機のキャンセルをまずは知らない乗客の声から聞いて、
 次は、スタッフが英語で外国人乗客に案内していたのを
 横から小耳に挟んだ感じで情報を確認しました。
 スピーカーで全員に知らせること、何故できなかったのでしょうか。
 飛行機のDelay情報の知らせも同じでした。


*乗客のために考える意識がほんとにあったのか。
 当直者に調べてもらった結果、
 今朝7時45分発の便には40席も空席があったことが分かりました。
 一方、昨日のCA便がキャンセルされてから、
 今朝まで残った乗客は全部で113人でした。
 誰を優先すべきか分からないので、いっそのこと、みなに知らせないでおく
 という考えだったかどうか、分かりませんが、
 その40席はとてももったいなかったように思いました。


 面倒でも、たった40席先に行くことができますが、
 希望者がいれば、変更は可能です、と情報を教えてほしかったです。
 事実、昨日、キャンセルが確認されてから、
 誰に何を確認すればよいか、分かりませんでした。


 一方、翌日の便に変更する場合、乗客は荷物を出してもらい、
 自宅に戻り、翌朝の早朝に空港に来なければなりません。
 荷物の多い乗客にとって、たいへん面倒なことになるに違いありません。
 荷物を預けることができるよとか、思いやりのある措置を導入してほしい。


*苦情電話がつながりません。
 窓口の当直マネージャーにクレームの電話番号を教えてもらいましたが、
 2回教えてもらい、2つの番号を教えてくれました。
 片方は誰も電話に出なく、もう片方はつながりませんでした。
 端午節の3連休で職場に来ていなかったのでしょうか。
 「24時間ホットラインなのに。人がいないことはありえないこと」。
 マネージャーがそう言っているので、どうしようもありません。


11時半まで搭乗口で食い下がりましたが、明るい結果は何も得ることができませんでした。
かろうじて、「夜7時40分まで待つ必要はあるのか。
 気候状況が良くなったら、すぐに飛ぶ準備をしてもらえないか?」、と提案したところ、
「はい。かしこまりました。そう関係者にお伝えします」、とマネージャーがうなずいてくれました。
しかし、当てになりません。頷くのは簡単で、行動ははてなです。
そうそう、まったく成果がないとも言えません。
お休みのホテルまで案内してくれたら、ロビーのソファーにはもうどこも座る場所がありません。
「休む場所を探してくれ」と頼むと、
「かしこまりました。今、部屋をご用意いたします」と、
1時間150元する有料ルームをただで提供してくれました。


聞く話では、このホテルには全部で19しか部屋がなく、
うちの2部屋は最近マージャールームにリフォームしたばかりなので、
事実、17部屋しかありません。


CAよ、何故、客にとって便利なことをしてくれないのか。
それが、結果的に、CAにとっても一番面倒さと不必要な出費、サービスを節約できる道なのに。
今のやり方だと、客もCAも両方、得になりません。