同僚のDIY結婚式



忍び寄る秋を思わせる青空の日です。


3ヶ月ぶりにまたまた同僚の結婚式が行なわれました。
今度はなかなかユニークで創意工夫を凝らした式でした。
何と、同僚の中では、初めての教会結婚式が行われたのです。
教会での結婚式は、日本では珍しくないようですが、
中国ではクリスチャンでないカップル同士が、
教会で式を挙げられるようになったのは、まだここ数年のことです。
お蔭様で、昨日も、ほとんどの同僚が教会結婚式の参加を初めて体験しました。


写真リポートはこちらから↓
http://japanese.cri.cn/1061/2009/08/24/1s145808.htm



今回のカップルは新郎も新婦も同じ職場のWくんとYさん。
Wくんは韓国の歌手SE7ENそっくりのイケメンで、
Yさんは超ミニサイズ(^_-)-☆の美少女。
誰が見ても、漫画の中からうっかり現実世界に歩き出してきた子かなと思う
小悪魔系の子。いうまでもなく、美男美女のお二人です。


中国の結婚式は圧倒的に、業者任せのスタイルが多いです。
ホテルの宴会場やレストランを貸りきって、
親戚、同僚、友人たちを呼び
まずは、業者が派遣してくれる司会が進行を務め、
面白おかしく、かつ、涙を誘うようなムードの中で
式が行われ、終わった後、すぐに披露宴が同じ会場で始まるという形態です。

それでは、カトリックの信者でない今回のお二人が、
何故、教会で式をあげたのか、新婦のYさんに話を聞いてみました。


「従来の結婚式は遊びごとみたいに行われている。厳かなムードがない。
業者に任せているので、主役が自分たちじゃないみたいで、あまり好きになれない。
結婚は神聖な通過儀礼と思っているので、
みなで騒ぐ式典よりも、厳かな儀式を経て、
夫婦双方に重みのある行動をしたと実感できる式を行いたい。
だって、自分たちの結婚式だから、自分たちの好きなようにしたいもの。
我的婚礼我作主!」


が、そう思っている二人は、教会で結婚式が行われることは、
それまでテレビや映画でしか見ていません。
北京でほんとにそれができるのか、
周りには経験者がいないので、
一生懸命にインターネットで調べてみました。
夫婦二人ともクリスチャンでなくても、
式をやってくれる教会を見つけ出し、
さっそく予約を入れたといいます。


「土曜日の午前しか行われないため、
結構混雑しているみたい。」


場所は宣武門駅付近にある北京最古のカトリック教会「南堂」。
1605年、イタリア人宣教師のマテオ・リッチが住まいを構え、小さな教会を作ったが、1650年、
ドイツ人宣教師のアダム・シャールが現在の建物を建立したといいます。
西洋風の灰色のレンガ造りの礼拝堂のほか、
中国風の築山に庭があり、中洋折衷というところでしょうか。


結婚式の費用はベースは2800元ほどから。
Yさんたちは蝋燭の点火や、ドアが開くのと同時に
シャボン玉のようなカラフルなバブルを噴出すサービスを注文したため、
全部で4000元弱になったそうです。


ボンボリの傍に挙式をあげるカップルの名前が書かれた看板がおいていました。
9時から30分ごとに日程が組まれてあり、
この日は全部で5組あります。


厳かな雰囲気の中で式を無事済ませたYさんとWくんに、
今日、感想を聞きました。


「望んだ通りの式でした。
 門が開くのと同時に、なんとも言えない厳かなムードに
 包まれました。期待の時刻がやってきたと実感しました。
 頭を上げることもできず、
 じっくり周りの雰囲気に浸っていただけです。
 新郎に手をつなげられ、見上げれば傍に彼がいた。
 思わず涙が出てしまいました」。


なるほどなるほど。
神父さんに向かって、結婚の誓いをした時、
Yさんは豆粒のような大きな涙をぽろぽろと流して、
声にもならずに誓っていたわけがここにあったのだ。
とにかく、大満足のようで、何よりです。


披露宴も自分たちで手配したものだったと言います。
業者を通さずに行ったところ、つまりDIYが一番の特徴です。
披露宴は円卓に中華料理の皿を仰山並べて出すタイプが多いのですが、
Yさんたちはバイキングにしました。
「円卓だと、食事の味がおいしくなく、たくさん残すし、
お客さんたちがおなかいっぱい食べることができないことも多い。
そうはなりたくないので、バイキングがよいかと思いました」と言います。
確かに、それはあると思います。


挙式、結婚写真に披露宴、全部で2万元ほどだそうです。
「業者に頼むよりは若干安い」という費用面のことよりも、
「自分たちのスタイルで結婚式ができた」点に満足を味わった二人でした。


ちなみに、Yさんは日本漫画のお宅で、コスプレもよくしていました。
コスプレ仲間で衣装担当の友人が大活躍しました。
広州から北京に来て、介添え人になっただけでなく、
ウェディングドレスを1セット作り、結婚写真用の衣装も調えてくれました。
その衣装とはコスプレ精神が大いに発揚された作品で、
光源氏と平安美人に変身した新郎と新婦でした。
こちらも業者に頼んでいなく、友人にカメラを頼み、
自分たちでPhotoshopで写真を加工し、
写真屋に持っていて現像したものだそうです。
ホテルロビーの電子アルバムのパネルに写っていた
二人の結婚写真を、みなで微笑ましく眺めました。


“80后”のDIY力に頭が下げました。
併せて、美男美女カップルのお幸せを祈っています♪