雑巾がけだって名人は違う♪

うわさの名物鍋料理の店にやっと入ってみました。
「首都はまだ初めてです」という高校時代の友人とお嬢さんの案内で。
店のムードもしゃれた感じだったし、味もおいしく、
しかも、めちゃめちゃ楽しませてもらえる店でした。


一番最初に「海底捞」と聞いた時は、無料でネールをしてくれる店だなと
いうイメージでした。
実際に入ってみると、
ネールの予約簿にずらっと名前が書かれてあり、
いつ順番がまわってくるか分からない様子でした。


だけれども、そんなことを気にすることもなく、
お腹が空いたし、何よりもたらふく食べることが一番。
一人6元のバイキングコーナーがあり、
たれの種類が豊富なこと、唐辛子の辣椒酱の種類も!
たれだけじゃやっていけないので、
ピーナツの炒め物に涼粉、ハミ瓜も食べ放題です。
飲み物は3元で飲み放題。
服務員の親切なこと。
ちょっとでも飲むと、すぐに追加してくれる。
不思議ながらも、「どうぞたくさん飲んで、どうぞたくさん食べて」と
真心からそう思っているような顔で勧めてくれました。


面白かったのは「功夫面」。
メリケン粉で練った塊を引っ張りながら、面を作るということまでは
拉面そのものですが、
プロの拉面师(石景山の店では師匠はわずか1人、ほかには弟子2人いるようです)
はその小麦の塊をまるでリボンのように振り回し始めました。
公園の中で、カラフルなリボンを振り回しながら踊っているおじさまやおばさまのように、
踊りだしました。やっている本人の顔に真剣さはなく、友人と一緒に楽しんでいるようです。
そして、突如、そのリボンを客の頭の方向に向かって投げつけたかと思うと、
シュッと客の頭に当てる寸前に引っ込められました。
もう驚きの声と笑いの渦…
麺が危うく武器になるところでした。
さんざん様々なテクニックを見せられた後、
面は普通のラーメンになり、手ごろなサイズに変身して、
おとなしく鍋の中に入りました。
「もう終わった?」と思うのと同時に、「いや。次は、そのラーメンが
自ら鍋から這い上がって私のお椀に入ってくるに違いない」と思ってしまいました(笑)


友人のお嬢さんは見とれて、踊っている面の下にもぐってみようとしました。


それよりもっとはっとさせたところは、片付ける時の雑巾がけでした!!!
功夫雑巾がけ」と見ているほうが敬意を含めて、ほめたくなった技でした。


しゅ、しゅ、しゅ、
ぱし、ぱし、ぱし
ぴ、ぴ、ぴ、
ツアッツアッツア、
どんぴしゃ!「はい、出来上がったぜ」という感じ。
無駄が一つもなく、現代ダンスのショーを見ているようでした。


つまり、解釈を入れれば、
先ずは汚れを吹き飛ばすスプレーを三回かける。
そして、一枚目の雑巾を取り出して、時計回りに三回拭く。
次は二枚目の雑巾を出して逆時計回りにまた三回。
さらに、三枚目を出して上から下へと拭く。
最後はステージを締めるようにして
机の角をひっくるめるようにして、雑巾ごとにバケツにバシャッと落とす。
いうまでもなく、ただ落とすだけというのではなく、
悪者を払い落とすような勢いで、ばしゃっと決める!!
そして、意気揚々とバケツと雑巾を戦利品のように
軽々しく手にもって、きびすを返して、颯爽と舞台裏(台所)へと去る。


まあ、格好よかったこと!!!
雑巾がけの技をここまで極めることができれば、頭をさげざるを得ません!
友人の娘がたまたま見つけた雑巾がけでしたので、
客に見られているからわざとやったわけではなかったようです。
「雑巾がけは男性服務員のみで、こちらも専任ですよ」と女性店員が誇らしげに言っていました。


「何事もアイディア次第ですね。」友人はすっかり感心した様子。
私も同感です。


ちなみに、私たちのテーブルの当番にあたったウェートレスも
めちゃめちゃ親切で、気が利く子でした。
陝西省のなまりでしたが、ひっきりなしに笑顔で声をかけてくれました。
後で知ったのは、
「車の保険勧誘の仕事から転入してきたのはまだ一週間。
 待遇はずっと今のほうが良い。
 宿泊と食事込みで、月最低賃金1200元。
 手当てなども含めれば、手取り月給は1800元にもなる」。
ただ、勤務時間は10時間。
店は朝の9時から夜の3時まで営業。
ちなみに、100テーブルある店ですが、
200人ほどの従業員で対応。


とにかく、店員まで一緒に楽しんでくれる楽しい店でした。
ちなみに3人での夕食は138元でした。



ネールに無料ネット接続、そして雑誌読み放題など
用事がなくても寄りたくなるような工夫が凝らされている。


ちなみに、店のサイトは以下からです。
http://www.haidilaohuoguo.com/