室内動物 連鎖反応

北京は今日もすばらしい晴天です。
昨日は午前中、しばらく淀んでいましたが、
昼過ぎに風が吹き出して、たちまちまた遥か
30キロ先まで眺められる良い天気になりました。
気分の爽やかなこと。
土曜日の今日も昨日以上に澄んだ青空。
12日は偶数の日なので、今日も朝から結婚式の爆竹が
鳴り響いていました。


せっかくの行楽日和ですが、あいにく仕事がたまっているため、
今日も明日も家の中に閉じこもってのパソコン作業になります。
15Fの自宅窓からの眺めを楽しむことにしました。


さて、連鎖反応の話です。
同僚がある日、「家を売りたい」と言い出しました。
4年前に結婚したばかりで、家もそれに合わせて購入したばかりの
110平米の広い住居でした。
内装も満足しているし、家具もすべて新調の申し分ない家のはずでした。
「何故そのようなことに?」
「だって、出張で留守にしていた間に、
 またも床が漏れた水で水浸しになり、
 おかげで、フローリングをすべて剥ぎ取り、敷き直しよ。
 水にやられたのはこれで2回目。
 しかも同じ階のほかの家も程度の差があるが、
 どの家も水浸しになった体験がある」。
家を売りたいと思っているのは、同僚だけでなく、
近所の人たちもみなそのようです。


最も「家を売る」というのは、
売って新しい家を購入するという買い替えのことです。
買った時は平米あたり5500元ほどだったが、
今は11000元にまで値上がりしました。
内装の費用を引いても、良い投資だったと言えます。
さすがに買った時、不動産デベロッパーからは
「1階なので、浸水しやすいけど」とも言われたことがなく、
まったく心の準備がなかったところへの不意打ちでした。


「今度は床をすべてタイルに変えて敷き直す。
 きれいに整理したところで、
 売りに出す」と同僚は言います。
もちろん、買いたい人に対して、
「浸水しやすい難所があるが」ということは絶対に口にしない。
ただ、今の様子では、おそらくいつかまたやられるのが
確実と言えます。


同僚も被害者です。もし私だったら、同じ行動をとるに違いありません。
ただし、この中で、永遠に誰かが被害者かその身代わりに
ならないと終わらない話になります。
子供の時のことを思い出しました。
大人たちは、子供が水辺に行くと危ないので繰り返して言いました。
「おぼれて死んだ人は自分の身代わりの人が見つかるまで
 往生できないので、悔しくていつも人を引っ張り込んで
 溺れさせようとしている。だから水辺で遊ぶのは怖いよ」、でした。


こういう連鎖反応を作り出した根源が一番悪いと思いますけど、
それと正面切って戦う勇気と力はたやすく生まれるものではない。


もちろん、良い連鎖のケースもあります。
従兄の奥さんに聞いた話です。
「家族で日本を旅行した時、知らない人に
 道を聞いたら、わざわざバスに一緒に乗ってくれて、
 目的地まで連れていってくれた。
 帰国の飛行機で一人旅で中国に来た日本人青年と
 出会った。日本で親切にしてもらって、
 どんなに助かったかということを思い出して、
 心細そうなその青年を我が家に来てもらって、
 泊めてあげました」。


後者のような連鎖ばかりだと、どんなに素敵な世界になるかと思っています。
ただし、そうは言いながら、
ネットショップで良さそうなCDを買って、
聞くと、イメージした音楽とまるで違う曲ばかりだった私も
「まだ真新しいこのCD、誰かに売りたい」と思っている今日この頃です。