CCTV还真是有意思 円高に関する考察

さきほどのCCTV-2『今日観察』で「日米摩擦を透視して」と題したインタビュー番組が放送されました↓
http://jingji.cntv.cn/program/jinriguancha/20100428/104030.shtml


 プラザ合意の後、円高が日本経済にもたらした影響をめぐり、冷静に、立体的に分析していました。
 円高は、その後の「失われた10年」の遠因だったとした一方、その背景に日本円が長い間、固定レートが続き、為替水準をタイムリーに調整してこなかったこと、また、円高が日本にもたらしたメリット(現在購入価格の低下、企業の省エネや技術革新への関心度を高めたなど)をも分析していました。

 番組に出演したのは、スタジオゲスト2人(中国人)のほか、神戸大の石原享一教授など日本の大学や研究機関勤務の専門家たちにも電話で話を聞いていました。
 基本的スタンスは、①円が切り上げられたからと言って、日本のバブルが引き起こり、その崩壊により経済の低迷が続いたという単純なものではない、②円高の影響は「最初から諸刃の剣だった」、③為替問題の政治化に反対、何故ならその結果、保護主義に走るしかないから、でした。
 とにかく、なかなか普通に視聴できた番組でした。


 「普通に視聴できた」と言ったのは、一ヶ月ほど前に、同じチャンネルで、同じ円高問題の分析をする別の番組では、「ほらあ、日本を見てみよう。アメリカに悪をされてしまってその後失われた10年が始まり、いまだに低迷が続いている。中国ももしここで元を切り上げたら、日本以上に深刻な結果が待っているだけ」と専門家よりもきっぱりした態度でアナウンサーが言い切り、「元の切り上げ」は中国の発展を抑制する陰謀に過ぎないと言わんばかりの論調でした。感情的な表現が多すぎて、普通に物事の裏表や歴史と今に関する分析が見えず、見ていていらいらしてました。
 同じ局でも番組が違い、作り手が違うとまるで別世界のようです。


◆全然違う話題ですが、中日韓三カ国の高齢者対策を議論するセミナーで、認知症に様々な種類があることを雑談で知りました。
つい万引きをしてしまう症状を持つ「ピック病」という病気があることを初めて知り、びっくりしました↓
http://www.ninchisho.jp/kind/04.html


そうこうおしゃべりしているうち、左隣の人が「なくなった祖父は、いつも誰かにものが盗まれることを恐れている」と言い出し、右隣の人は「友人の母は記憶力もよく、言語表現も達者ですが、人をとがめっぽくなり、信頼できない。簡単な例をあげると、介護士から『りんごを食べますか。剥いてあげましょうか』と言われたら、『私に聞いたのではなく、本当はお前が食べたくて聞いてきたことでしょう。どうせ私が食べないと答えることを見込んで、自分の口に放り込むのでしょう』と反論してしまう…」と言ったりします。


そこで、ふっと頭をよぎったのは、95歳になる私の祖母のことです。
祖母は記憶力が良くて、言語能力も問題ありません。ただ、毎回会いに行きますと、必ず眉間にしわを寄せて、同居している叔父の妻の悪口を言います。
それまでは、祖母は誰かの悪口を言い続けることで、自分の頭を常に動かしているので、結果的にボケから免れたのかもしれないとしか思っていませんでしたが、今日の話を聞いてみると、もしかして、それは性格ではなく、老化現象から来た病気なのかしら?


それにしても「生涯現役」という日本の発言者から紹介された表現に驚きました。老後を健やかに過ごそうという心構えとして提唱したことなら、とても素敵なフレーズだと思うのですが、同時に、生活難でしかたなくそうせざるを得ないような高齢者を絶対に作り出してはならないようにも思います。