スポーツ精神と現実との格差

 久しぶりの書き込みです。
 無錫、上海とトキのいる島などを回っているうち、すっかりブログの更新を怠ってしまいました。ようやく北京に戻り、落ち着きましたので、そろそろ再開です。
 あっという間に、今年も残りわずかとなりました。
 広州で開かれているアジア大会は開幕から一週間経とうとしています。ずいぶん時間が経ってからの情報ですが、メダル第一号たる「首金」(中国語)は、ホスト国びいきの裁定結果と思われてもしょうがない判定だったようです。
 今大会初の金は本家が中国にある武術「男子長拳」の種目から誕生しました。結果的に、中国、日本、イランがそれぞれ金銀銅を獲得しましたが、物議をかもしたのは中国人選手が明らかなミスを起こしたことでした。最終的に0.06の微差で二位を抑えて優勝しましたが、優勝の仕方としては、やや意外だったと思われても仕方がありませんでした。
 試合の様子に関する報道は以下です:
 http://yayun2010.sina.com.cn/o/2010-11-13/09185303515.shtml


 元来から重い「メダル病」を患っている中国ですが、今回はホスト国として開く大会であるだけに、ファーストメダルにいつも以上に重い意義を注入したことが容易に想像できます。
 ただ、武術に関して言えば、個人的には、世界で広まっていることをホスト国として喜び、中国人のコーチたちの頑張りで武術が世界のスポーツになったことを喜ぶべきです。もし中国人選手が参加すれば、すなわち、「金」確保が前提ならば、いっその事、中国人選手はメダル争いの種目に一切参加しなくてよい決まりを作ればよいのでは。
 幸い、冷静な目で見つめている地元紙の記事もありました↓
 http://yayun2010.sina.com.cn/o/2010-11-14/18055307477.shtml

【タイトル:武术长拳中国摘冠日本人不服 亚运会首金有学问】
 記事の内容に基づき、タイトルを意訳すれば、◆武術長拳の種目で中国が優勝したことに対し、日本代表は納得が行かなかった。本当のこと、大会のメダル第一号になる種目の設置をもっと工夫すべきではないか◆、ということになるのでしょうか。

 武術の種目、または、当日の長拳競技の公平性についてたくさんは触れていませんでしたが、簡単にピックアップします。
「历来的综合性运动会都是一样,东道主会利用赛程之便把首金留在自己的手中,这一点合情合理并且光明正大,大家都理解并且大家都这么做。但是,用什么样的项目来保证首金是一门学问,从这一届中国队的首金来看,需要总结反思
 …

 这次充当东道主,不妨拿出一点大国风范以及东道主的风范,不要把首金看得那么重…试想一下,如果首金被蒙古或者伊朗夺得,将会在他们的国家引发多大的轰动?
 …

 古人说:月满则亏。老子认为,凡事不要做得太完美,留一点缺憾才是最聪明的做法。从这个角度说,首金真的不是那么重要…」

 小耳に挟んだ噂では、「中国の競技場で『君が代』のメロディーを聞きたい人がいるとでも思っているのか」という感情的な要素も順番決定に影響したようですが、仮に目下の双方の国民感情の悪化がなければ、どのような採点結果になり、またどのような報道になるのか、無駄な想像をしてしまいました。ただ、世界大会の順位決めには、目に見える形での試合以上に、目の見えないところでの働きかけなどがあることは、世界のどこでもやっていることだという噂も。
 
 ◆番組紹介【無錫特集】◆   http://japanese.cri.cn/782/2010/11/16/147s166663.htm