カーテンを洗う 心を洗う

 大型連休の3日目が終わろうとしています。昨日の故宮には、延べ約13万人が訪れ、過去受け入れ人数の最高を記録したそうです。今年から、GW中に一日あたり8万人以内に抑えるという入場制限を初めて設けました。故宮を敷き詰める石畳、今日も磨り減り続けているようです。

 さて、GWが始まってからまだどこも出かけていないつばめです。人ごみを恐れて、出勤のほか、家の中の整理清掃に専念することにしています。カーテンを洗ったり、長年使っていないものを処分したりすることに追われています。埃のたくさん溜まったこと。バケツの中はすぐに墨汁に変わってしまいます。
 「大震災の後、ものの考え方が変わり、いろんなものを処分してしまいました」。
 大掃除をしながら、何故か思い出したのは、先日、届いた東京からの雪枝さんのメールです。
 雪枝さんは四半世紀にわたってCRIを聞いてくださっています。開局70周年記念の特番の出演お願いで久しぶりメールをしたら、読むとどきっとした一行が目に入りました。ちなみに、その次のフレーズに心打たれました。
 「しかし、北京放送の資料は捨てずに、とっておきました」。リスナーの方々との心の交流に頑張ってきた先輩たちは、どれだけ嬉しいことか。雪枝さんに心から謝謝!
 さて、つばめ宅に置いてあるだけで、何年も触れてもいないものの中には、大量のテープがありました。しかし、手にとって見ると、一つ一つ思い出に残る記録でもあります。
 2002年の夏に、FM富士の西本DJの番組に出演した時の録音を聞いてみました。おそらくラジオ番組の作り方や雰囲気など、いまも基本的なスタイルは変わっていないように思います。しかし、話の内容には苦笑いしてしまいました。番組の中で、いまの中国を代表する世代として紹介したのは、なんと「70后」(1970年代生まれの人間)でした(笑)。もういつの間にか、中国では忘れ去られ、人々の耳から遠のいてしまった表現なのです。
 いまはなんたって「80后」世代。ところで、「80后」も奢れるのはもうあまり日がないかもしれません。何故なら、「90后」たちは密やかにではありますが、力を伸ばし続けてきているからです。CRIの今年の新入局員30数人いますが、その中に、90后世代は2人もいると聞いています。
 この10年、中国の変化も凄まじいものでした。言うまでもなく、日本も世界も同じです。
 世の中のすばやく変化しているスピードを変えることができませんが、それを知りながら、どうやって自分のスピードをしっかり舵取りできるのか、大きなチャレンジです。
 埃の掃除は心の掃除でもある。こんなことを考えている今日この頃です。