成都の旅、交流の絆を感じさせる

<快適で、のんきな成都市>


「お金があれば、大胆に使い尽くす。
 享楽的で、のんびり派が多い。」
 成都っ子の個性だと言われています。
以前から、自家用車の普及率が全国の主要都市をリードしていることは、
有名な話です。
こんな神秘的なところ・成都に入りました。


到着したとたん、15〜6℃の快適な気温に感心しました。
北京から飛行機で2時間20分ほど。
ホテル(金川)に到着したのは8時ごろでした。
会議の開催で、ホテルは大盛況。
予約できたはずのツインルームがなくなり、
「スイートルームに、小さなベッドを一個追加した形で、恐縮です」
と受け入れ側が申し訳なさそうにわびました。
しかし、入ると、あまりのデラックスさに狂喜。
2DK のマンションのようなつくりで、
玄関に、書斎、応接間、寝室のつくりになっています。
書斎に本がたくさんあり、
応接間に三国志ゆかりの書や画、工芸品など、たくさん飾られています。
もちろん、諸葛孔明の愛用する雁の羽の扇も。


腹ごしらえに、近くのしゃぶしゃぶの店に入りました。
(こんなに快適な気候だから、外をぶらぶらしたくなるのですね。
 だから、夜遅くまで町は明るくてにぎやかです)
最低30元からなので、食べきれないほどたくさん注文せざるを得ませんでした。
(環境のことを考えると、値段をやや高くして、
 個数を減らしたほうが良いのかもしれない気もします)。
結局11時近くまで食べ物との奮闘で、
せっかくのデラックスな部屋をゆっくり味わう余裕もありませんでした(泣)。


成都一日めぐり>


さて、成都の仕事は一日で終わり、友達の進めもあり、
今度はもう一日、観光のために延泊しました。


たまたま取材で同僚も成都に入っています。
また、3年前からボランティアで日本語を教えている友達のSさんもいます。
日本人のSさんに案内していただきながらの成都観光でした。
結婚撮影の定番スポットになった合江亭(1992年、联合国人居奖)、
マルコポーロが訪問したことのある安顺廊桥、
諸葛孔明ゆかりの武侯祠、
2年ほど前に開通したばかりの観光土産品通り「錦里」、
そして、日本食(88元食べ放題、刺身つき)のお昼を食べ、
Sさんが教えている广岛四川中日友好会馆にある日本語教室を見学して、
繁華街の春熙路に向かいました。
透明なガラス張りの喫茶店には利用客が溢れていました。
辻口に大画面があり、たいへんおしゃれに見えます
(大画面なら、北京の王府井にも設置されているけど、完全に顔負けです)。
それから、イトーヨーカドー伊勢丹が軒を連ねています。
ヨーカドーの中は人の山人の海。
一日歩きつかれた足を引きずり、
雰囲気を味わっただけで引き上げることにしました。


地元の人の話では、ヨーカドーは北京以上に成都の人にフィットしているようで、
ビジネスは大成功しています。
反日デモの時、ここは攻撃されたようですけど、どんな様子でした?」
思わず、Sさんに聞いてみました。
「外で少し騒いでいた人がいた程度で、
 中は普通に営業していました。
 地元の人は、そんなことがあったのかと知らない人が多かったです」。
私も日本の新聞やインターネットを通してしか、
ニュースを見ていません。
メディアで報道されると、イメージがこんなに自己膨張するものなのかと、
我ながら反省しました。


<日本語上手なタクシー運転手>
友好会館に向かう時、偶然に乗ったタクシーで、
信じられない声が聞こえました。
3人が日本語で話している時、運転手が突然振り向きました。
「日本人ですか」。驚くほどに流暢な日本語でした。
3人して、びっくりしました。
「私は1992年、研修生で甲府に一年いました」。
なるほど、どうりで!
地元の家具工場の従業員で、担当はペンキ塗りでした。
友好都市の甲府の受け入れで、初めての研修生として
甲府の家具工場に渡りました。
「とてもよかったです。技術の勉強はもちろん、
 みな親切にしてくれました。
 出張にもしょっちゅう出させてもらいました。」
「また行きたいです。ビザが簡単に申請できないのが、
 残念です。今度は同期の人たちで、子供をつれて、
 ツアーを組んで、日本を一緒に旅行しようと思っています。」


運転手さんの話では、自分たちの場合、手数料は一切なかったそうですが、
2回目以降から、費用が取られるようになったそうです。


交流会館も実に立派で驚きました。
成都にいれば、両国の地方自治体の友好往来の基盤の確かさを
実感できるような気がします。


<自己反省 忘れ物病>
盛りだくさんの成都の旅でした。
しかし、同僚や友人に囲まれ、すっかりお気楽状態になった私は、
どたばたと忘れ物を繰り返しました。
タクシーでの忘れ物はとうとう戻りませんでしたが、
担当者の一人一人が親切に、誠実に対応してくれました。
帰途は空港高速に入る直前に、またまた忘れ物に気づきました。
もう一度戻ったら、今度は空港到着の時間がすっかり遅くなり、
7割の特典料金が使えなくなり、不足分を補充しなくてはいけなくなりました。


●教訓は、とりあえず2点。
★自分で自分の持ち物をしっかり管理し、
     余裕を持ってものごとにあたること。

★タクシーにものを忘れた時は、
 なるべく運転手に早く連絡をすること。