もろもろ+成都の友人に聞く

■災害情報関連HP■四川在線:http://www.scol.com.cn/


■本日の概要
 やっと震源地での本格的な救援が始まったようです。
 ブン川にも数千人規模の救援部隊が到着しました。
 空からの物資供給も投与され、
 地震後、しばらくは「陸の離島」になった被災地の人々にとって、
 どんなに励まされたことでしょう。
 被災地にいる温家宝首相の話では、
 武装警察計10万人が投入されたとのこと。心強く感じます。


 CCTVは生放送は続いています。
 頑張って伝えようとする意気込みを高く評価します。
 テレビにとっても初めての体験ですもの。
 欲を言えば、もっともっとたくさんの映像を送り返してほしい。
 それから、地震の形成と地質的な構造について、
 もっともっと専門家に意見を聞きたいし、分かりやすく解釈してほしい
 (断層は300キロ移動したようですね)。
 また、被災者の声をもっともっとたくさん出してほしい。
 とりわけ、幸いにも瓦礫の中から助かった人たちの声や、
 現場のもっと生きた様子を知りたいです。


知り合いの話では、放送大学の学者は、大学院生向けの授業で、
CCTVの今回の生放送をひどく批判しているようです。
「形が単調で、現場の映像が少ない、技術のことも含めて、
 チームワークが悪い」、などなど、酷評でした。


しかし、私個人的には、連日生放送を敢行したという未曾有のことに
踏み切っただけ、この勇気を高く評価したいです。
どうか、今回の様々な経験と失敗を汲み取って成長してほしい。


ところで、CCTV関連で、今日はネットでバッシングされていたことがありました。
①昨夜の電話中継では、
 現場にいたはずの女性記者が現場から電話するため、
 成都のホテルに戻ったこと、取材の際、
 「(都江堰の学校の生き埋めの救援活動について)
 救援活動はそろそろ終わりに近づいてきた」と発言したこと。
 スタジオから「72時間以内は救助の黄金時間帯と言われているのに、
 どうして、もう終わりに近いといったのか」について、
 納得のできる説明はなかった。

 以上は、私がテレビで見ていたシーン。
 確かに、「エンディングに近づいてきた」という発言におかしいと感じました。


②以下は聖火リレー関連です。
 江西でリレーした時、聖火ランナーが被災地に義捐金を寄付したという
 ニュースの時、聖火リレー専用のランニング姿のランナーたちは
 一人ずつ、募金箱にお金を投じているシーンが映っていましたが、
 なんと、恐ろしいことに!!!!!
 実際は手に何も持っていなく、ただ、お金を入れるふりだけをしていました、と。
 21世紀の裸の王様のようなシーンでした。
 なんとばかげたことをやったのか。
 バッシングバッシングバッシング…
 理解のできないシーンです。
 言われてみれば、ランニングにも短パンにもそもそもポケットがなく、
 ランナーたちは、最初から自分の持ち物をもってくることが許されないはずでした。
 募金したこと自体は事実だと思いますが、
 いくらなんでも、こんなシーンを放送させた体制には疑問を感じます。


▲その他:メディア反応に対するコメント
 http://blog.sina.com.cn/s/blog_53a53ebe01009au0.html


■■■各界、義捐金募集に精を出している■■■■

放送局には昨日の早朝から早速ポスターが張り出されました。
本日の部会の後もさっそく募金が始まりました。

文字と写真はこんなに力強いものになれるのか、と改めて思いました。
局内の五輪のカウントダウン看板、今日も一つ数字が更新されました。


同じく、友人の勤めている日系旅行社も募金を始めたそうです。
友人は、会社の募金以外にも、同僚一同に呼びかけて、
個人からも義捐金を出そうと運動してみました。
「会社の出した金額を上回ったほどの金額が集まったよ」と
電話の向こうで、嬉しそうな声が聞こえてきました。


「私も母親です。子どもたちが泣き喚いている画面を見て、
 心が裂けるほどの痛みを感じます。
 少しでも自分たちの気持ちを表したいです」。


また、同僚のLさんは、「テレビを見ながら、泣いてしまいます。
震災で孤児になった子を里子に迎えたいなと思っています。
一人娘にとって姉妹ができるし、一石二鳥です」、と
本気になって考えているようです。


■■■大自然が予告?5月10日 綿竹・蟾蜍の大引越し■■■■
地震との関連で科学的な証明ができてないようですが、
今回は、10日に綿竹で大規模な蟾蜍の引越しがあったようです。
http://news.tfol.com/10026/10157/12214/2008/5/10/10559121.shtml
ただし、去年も数万の蟾蜍が突然現れて、四川の村を包囲したことがあるようです。
一概に因果関係があると言えない部分があるかもしれません。


9日に、江蘇省の泰州でも同じ現象があったようです。
http://news.163.com/08/0509/16/4BGVMJU700011229.html


また、四川省達州市の山中の洞窟から赤い色の水が流れてきたようです。
いつも大地震の前に水の色が変わるらしいとのこと。
http://news.163.com/08/0514/19/4BU74DOQ0001124J.html


     ■■■■■■■
<北京時間17:20>
雨がやみ始め、空もずいぶん明るくなりました。
いつもの夕方が戻ってきました。ほっとしました。


<北京時間16:50>
気づいたら、窓の外は真っ暗でした。
窓を開ければ、外はバケツをひっくり返したように大雨が降っています。
ざかざん、ざかざん、ざかざん。。。

どういうことだったのか。恐ろしい気候です。
それに、最近は異常に冷え込んでいます。
いつもならば、北京はもう真夏のような暑さなのに。
今は、夜寝る時、冬並の布団をかけなければなりません。


雷もごろごろです。


     ■■■■■■■■
(昼)成都の友達に連絡が取れました。


成都在住の友人・坂本静子さん(広島市出身)は日中友好のために、
長年、現地でボランティアの日本語教師をしています。
坂本さんはずっと、中国人のお友達の謝さんの家で下宿しています。
さきほど電話したところ、なんと、地震の前日に、
坂本先生は九塞溝で日本語ガイドをしている教え子からの要請で、
日本語を指導するために九塞溝に入ったようです。
本日の昼に、ようやく、坂本さんから謝さんの自宅に電話がかかってきましたが、
「すべて無事だ。ただし、いつ戻れるかはまだ分からない」との連絡が入ったようです。
神様に感謝です。
ただ、電話は途中で切れて、それ以上、話が出来なかったようです。
ほかに、パンダツアーを催している日系旅行社の知人に電話したところ、
チベットの騒乱で、しばらくはツアーの募集を見合わせていた。
 そろそろ再開したいと思っているところに、大地震が起きた。
 そういうわけで、当社主催のツアーで現地に行っている日本人観光客はいない」、とのことです。



■なそ、CRIの地震報道は特集はこちらからです。

http://japanese.cri.cn/81/2008/05/13/Zt1@117892.htm

■以下は、本日昼の電話インタビューです■
http://japanese.cri.cn/81/2008/05/14/1@118056.htm


 四川大地震から48時間が経とうとしています。震源地からおよそ100キロ離れている成都市では、市民の暮らしはどうなっているのか、災害にどのような気持ちで立ち向かっているのか、14日午後1時、成都市にお住まいの謝正富さん夫婦に電話でお話を聞きました。

 謝さんと奥様は国営企業に勤めていた一般職員でしたが、数年前に退職し、現在、息子夫婦と5人家族で天仙橋地区の高層住宅に住んでいます。

 地震発生時、謝さん夫婦はちょうど友人との昼食会が終わり、レストランを出て、大通りを歩いていた最中でした。「立ってもいられない揺れで、恐ろしかったです」。

 謝さんと奥様は32年前、雲南省の龍陵でマグニチュード7.4(1976年5月)の大地震を体験したことがあり、今回は謝さん夫婦にとって、二回目の大地震となります。
 

Q 成都の今の様子を教えてください。

謝 さきほど、まもなく断水する知らせを受けましたので、大急ぎで水を溜めて、シャワーを浴びたところです。

 成都市内は地震の死者が出たり、建物に大きな大きなひびが入っていたりして、地震の爪あとがあちらこちらで見かけます。

 しかし、一方では、成都市は概して秩序が保たれてあり、通信も交通も通じていますので、人々はたいへん落ち着いた雰囲気です。物資は赤十字会からの援助に頼っています。一方、市民たちは自己救助にも頑張っています。町には、夜通しで、献血する市民たちが行列をしています。医療関係者は48時間、休まずに救助に当たっています。

 たいへんな災害ですが、皆、冷静に頑張っています。何より、温家宝首相が現場に来てくれて、私たちと一緒にいることが大きいです。皆、大きな力を受け、大きな励ましを受けています。


Q 謝さんの団地の様子を教えてください。

謝 私の団地には全部で360世帯の住民がいます。地震が起きた後、安全確保のため、住民委員会は、夜、近くの空き地で立てたテントで寝泊りするように注意を呼びかけています。おとといも昨日も、夜は、皆でテントで寝泊りし、昼間は自宅に戻って食事の支度をしたり、休んだりしています。住民たちはどの人も、互いに言葉を掛け合って、励ましあっています。


Q 今日のお天気はいかがですか。

謝 昨日はしとしとと雨が降り続けていました。夜は風も吹き出したので、かなり冷え込んでいました。今日は幸い、良いお天気に恵まれています。


Q 食糧供給のほうはいかがですか。

謝 ミネラルウォーターや野菜はもう売り切れていますが、市場はいつも通りに営業しています。


Q 学校や会社はどうなっていますか。

謝 学校はすべて休みに入っていますし、仕事の量を減らしたり、休みになっている会社も多いです。ただし、通信、郵政、電力、公安、病院の関係者は頑張っています。


Q ほかの被災地にご親戚やお知り合いの方がいますか。

謝 都江堰市や九塞溝に友達がいますが、九塞溝には電話がなかなか通じないため、まだ連絡が取れていない人がいます。都江堰市の友人は、地震でその住んでいるマンションは、団地ごと一瞬のうちにつぶれてしまい、不幸にも奥様が生き埋めになって、「いつもは2時になると、家を出て、友人の家へマージャンをしに行くのですが、その日だけは出かけるのが遅かったようで、友人は悲しみに包まれています。


Q 震災後の不便はまだ続きそうですが、謝さんの家はどのような準備をしていますか。

謝 そうですね。今までは長時間にわたる断水の体験はないので、とにかく、洗濯機の中をも含めて、家中のありとあらゆる器に水を蓄えておきました。3、4日分なら、問題ないですね。米や小麦、食用油など、家にもともとあるものがありますので、とりあえず、自分たちの生活には不安はありません。5歳の孫は幼稚園の行かなくて良いし、団地の子どもたちと朝から一緒に遊べるので、喜んでいますが、状況の深刻さを認識している大人は、やはり心配が隠せません。

 他の省にいる友人から、救援物資を郵便で送りたいとご親切に言ってきた人がいますが、「私たちは生活に困っていないし、それよりも、大事な通路を救援物資を運ぶのに空けてほしい」と友人の好意を断りました。救援物資の運搬ルートの確保、これが今の急務です。

 今回はたいへんな災害とは認識していますが、国挙げての力強い救援があるので、成都の市民として冷静な気持ちで、助け合い難関を乗り越えようと思っています。