哀悼日のテレビ+「反省会」の精神

北京は一日、いやな天気です。
昨日は強風でしたが、空がありました。
今日は空がなく、建物が黄色く包まれています。


昼食の食堂で、同僚は携帯に届いたメッセージを
面白がって、皆に披露しました。
良くできたものと思いました。
原文は『孟子·告子下』、
中国では中学二年の国語で習い、暗記が求められた古文です。
言ってみれば、替え歌のようなものです。


故天将降大任于斯国也,必先下其大雪,
撞其火车,抢其火炬,震其国土,
涨其物价,跌其股市,病其幼童,
空泛其民,増益其所不能


(仮訳)
天が大任をその国に任せようとする前に、
必ずやまずは大雪を降らし、
列車を衝突させ、
そのトーチを奪い、国土を震わせ、
物価を上げ、株価を下げ、
民を疲れさせ、児童に病をもたらし、
その出来ないことを増やす…


悲しいことばかりだけど、
今年のここまでの歩みをうまくまとめたフレーズです。



(原文)
故天将降大任于是人也,必先若其心志,劳其筋骨,
饿其体肤,空乏其身,行拂乱其所为,所以动心忍性,曾益其所不能


■全国哀悼の日、中国のテレビは

テレビもラジオもオープニングやエンディング以外、
一切、エンタメや音楽が禁じられていますので、
今日のテレビにはこのような異様な画面になりました。
どこの局も同じような内容でした。
チャンネルを変えても、まったく変えたことが意識できないほど、
音も画面もつながっています。


北京テレビBTVや四川テレビのように、独自で生放送を組んでいる局もありますが、
大部分はCCTVの生放送でした。


ウェブサイトもすべて色が消えてしまいました。
局内の入り口の写真です↓


悲しい2008年の思い出として記憶に留めます。


■四川帰りの友達■


夜、四川被災地の取材で戻ってきた日本人の友達に会えました。
連日、被災地での取材があり、
おまけに、帰る時、成都空港で長く飛行機を待っていたようで、
きっとお疲れのことだと思いますけど、
見た目、お変わりなさそうで、何よりです。


なくなった人が数多く見たはず今回の取材で、
何かショックを受けていないのか、とても知りたいところです。
しかし、意外に淡々としていて、
「状況を伝えなければならないので」、
それ以外のことに気をとられることはないようです。
余震があり、ニュースソースなどすべて自分たちで探し、
たいへんな地理環境の中で、移動しなければならないので、
よっぽど緊張感があったと思います。


それでも、動じずに、冷静に状況を見据えて、
被災の様子をリアルに伝えるよう努力しているようで、
敬意を払います。


「天災の中、人的要素で引き起こした部分
 がどのぐらいあるのか、もっと見極めなければならない」。
やんわりと中国人に忠告を出しました。


悲しみか感激か感動に包まれている今の中国は、
早く冷静を取り戻して、今後に向けて真剣に考えなければならないように思います。


皆での雑談の中で、中国と日本の違いについて新しい発見がありました。
日本人は何かやり終えた時、「反省会」を開くのに対して、
中国人は「慶功会」を開くのが普通です。
日本人は四川で大地震が起きても、もし同じような地震が東京あたりで
起きたら、どうなるのかをシミュレーションし、
毎年のように東海大地震の予行演習をするが、
中国人はどことなく、災害は遠い所の出来事という見方があるようです。


しかし、「反省会」を開く精神、中国人は絶対必要だと思います!
思想回路の転換が必要です。


■本日帰国の日本の援助隊、謝謝!■
http://japanese.cri.cn/151/2008/05/20/1@118562.htm

胡同にお住いの単さんご夫婦は被災地で20年間暮らしていました