教習所物語〜宇宙人の“桩考”

快晴の日

お陰様で、本日をもって夜明け前から起床する
地獄5日間が終わり、“桩考”試験にもめでたく合格。
それにしても、“代価”が大きかったです。
例えば、
ゆっくりお風呂に入る暇がなく、汚いままです。
ガソリンの匂いが服にしみこんでいて、慣れない匂いです。
送迎バスをミスった時のタクシー代、もったいないです。
睡眠時間の不足で顔色が悪く、隈も目元のしわも増えています…
しかし、無事合格できたので良かった良かったです。
これで免許取得の一番の難関が乗り越えられました。嬉しい…


ところで、“桩”と聞くと、中国人がすぐ連想するものは、
中国功夫の「梅花桩」のこと(イメージ↓)。

しかし、教習所の場合は、実物はこれです。


分かりやすく言えば、「贴库、倒库、移库」の三つの実技です。
日本語ではどういうのかな。意味としては、
 ・車庫の奥まで、車をつける
 ・車庫入れ
 ・車庫の変更(二つ並べている車庫の右から車を左へ移動。
   何でそんな面倒なことをするのか…いまだに疑問が解けていません)
これにプラス、「内路」での車の発進、縦列駐車坂道発進
でこぼこ路面の通過、くねくねした路の通過、
そして、100メートルの間でトランスミッションのギアを5速にして前進する。
これらの項目は試験前、全部で、5日間連続して練習することが求められています。
午後の予約が満杯になったため、しかたがなく、朝にしました。


人間の記憶力はほんとに不思議なものです。
最初の二日は、「2上2下」して車を車庫だから出す手順が覚えられず、
苦労しましたが、三日目は苦じゃなくなりました。
しかし、喜ぶ暇もなく、最初の二日でもう完璧にクリアしたと思った
車庫入れが今度、できなくなりました。
あきれた教官は、「よう分かった。あなたは決してただ者でないことを。
地球の人間なら皆、分かってくれたはずだったが、
宇宙人だったのですね」と、ため息ばっかりついていました。


実は、教官は学ぶ人以上に緊張していました。
聞く話では、受講者のうち、不合格な人が出た場合、
点数が引かれ、ボーナスの額に影響するだとか。
だから、5日間、何が何でもマスターしてもらわないと困る姿勢で
実に根性良く頑張ってくださいました。
態度に微妙な変化があったのが面白かったです。
冗談ばっかり言い飛ばす最初の二日間。
そして、厳しく罵倒する三日目。
最後は、あきらめて、丁寧に教えなおし、繰り返して復習し、
やさしく励ましてくれる4、5日目でした。たいへんな仕事だなと思いました。


もしも自分の不注意で失敗したら、それが自分だけでなく、
人の迷惑になるかもしれないことを考えるとプレッシャーもありましたが、
丁寧に教えてくださり、しかも、この学校で「桩王」と呼ばれている
名教官にも頼み込んで、特別指導までしてもらった甲斐があって、
何とか一発で合格できました。
←試験場


これで、後2日、最後の実技の練習に来ると、
「外路」(外の道路)での本格的試験になります。
それに合格すれば、免許が取得できることになります。後一息です(^^)


つばめの通った教習所は広々とした華北平野の荒野の中にある。
校門前の雑木林には鳥の巣がたくさん。
500〜600台も車がある広いところです。



夕方のマジックアワーに、綺麗な夕日を見ました。
2008年もこうやって残り少なくなりました…
気のせいか、冬至を過ぎれば、日が長くなったのが感じるようです。