80后研究者:「変化する目で、中国のメディアを見てほしい」

 1980年生まれの女性研究者とおしゃべりするチャンスがありました。
 専攻は「デマの伝播」。それで博士号をとったようです。
 中国と日本のメディア比較について、おしゃべりする中で印象に残ったことは、こんな意味の発言でした。


 「メディアに影響を与える力には政治、商業、市民社会の三種類が考えられる。確かに中国には政治の力がまだ強い。ただ、いわゆる政府の監督対象となっているメディアの数は限られている。それよりもずっと多くのメディアは商業主義で動かされている。一番特殊の例はCCTVで、この3種の力を一身にしている。検閲があるにもかかわらず、市民の声を反映する番組は検閲で許可され、確実に育っている。
 商業主義との関連で言うともっと端的な動きになっている。昔はすべて政府出資で運営されていたメディアは、改革により、経費削減→独立採算の段階を経て、今は政府にその収入の一部を払わなければならないようになっている。大きな変わりようと言える。
 その辺のことを見極めずに、今も政治の影響力の一点張りで中日のメディアの違いを見るのでは、硬直な考えだとしか言いようがない。」


 うなずけます。
 ちなみに、この彼女は日本アニメのミーハーで、日本文化のファンです。日本文化の精巧さに魅了されただけでなく、「怨みを持ち続けるなら、中国は真の大国にはなれない。何故なら、私が中国に対して願っていることは、中国は単なる(経済)強国になるだけ良いということではない。人々が幸せに暮らせて、満ち足りた心が持てるような国を目指してほしいと思っている」と言い、中国と日本が本当の意味での和解を訴えていて、そのためにでもまずは日本を知ることからだと言っていました。