CCTV「新聞1+1」漲る闘志!!+ネット攻防戦は続く

(夜の書き込み)
 拍手喝采したい出来事が起きた。
 拍手喝采を送りたい相手はCCTVなのだ。CCTVの24時間ニュースチャンネルの「新聞1+1」で、キャスターの岩松さんがシャープな切り込みを始めた。
 その指差すところは、名指ししての夕べの報道官だった。
 「事故が起こったが、中国の高速鉄道は依然として世界最先進の技術で、最も安全な乗り物である。ぼくのことを信じてくれ!」という夕べの映像がフラッシュバックした後、岩松はにこっとさえ見えた顔で、目を光らせて言った。
 「あなたの言うこと、ぼくは賛同できない。何故、最先進の技術があると必ず最も安全だといえる?管理のレベルも再先進なのか?」
 「事故の原因は雷だと言われているが、本当の真相を知りたい。だけど、本当の真相というのは、おかしな表現。そのうちに、本当の本当の真相というような表現をせざるをえなくなるような事態になってほしくない」
 痛快そのものだった。
 ようやくCCTVは声を出すようになった。このような姿勢があれば、安心して、後のノルウェー爆発事件の特集を見ることができる。
 そうそう、番組終了後のエンディングでは、昨夜の記者会見の「ハイライト」がフラッシュバックした。どれも、見る人を驚かせた対応と発言のハイライトだった。洗練された編集者の腕に笑えた。また拍手したくなった!

 うわさでは、C局は「お前ら、痛くも痒くもない報道ばかりして!」と局内の会議で局長に怒られたそうだ。意外かもしれないが、視聴率狙いもあるし、まだ取り締まりの命令が降りる前の突貫報道なのかもしれない。もしくは、ただぐるになってのガス抜きに過ぎないか…
 何がともあれ、ネットにたまっている鬱憤をすでに代弁してしまった以上、何らかの形で国民に説明のつく解釈を出してほしい。
 ちなみに、公式発表の死者人数が、40人に上った。
 旅客たちの荷物の整理も進んでいるようだ。少しずつ、追求が深まっている。
 しかし、今夜、温州市内の広場に遺族たちの座り込みが始まった。
 事故原因の究明と同時に、たいへんな善後処理も待っている。
 良いニュースは、イイちゃんの足の指に血流が戻りつつあるであること。 
 
             ◆◆◆◆
 (夕方の書き込み)
 気のせいか、ミニブログでの書き込みの勢いがピークを過ぎたようです?ただ、中国語の流行語でいえば、これは「下火になった」のか、それとも「ならされた」ものなのかが、分かりません。
ちなみに、総書き込み件数は夕方までに、すでに530万件を超えました。

 これまでの流れを簡単に整理します。
——昨夜10時半頃、待ちに待った鉄道部の記者会見が開かれた。
 30分あまりの会見だった。テレビ中継の途中、スタジオ画面に戻り、司会者のコメントが始まり、しばらくしてからまた中継場面に戻ったというような不思議な中継方法だった。
 最後は「記者会見はこれで終了」と宣言し、無理やり切り上げて終了。
 不完全燃焼としか言いようがない。
http://video.sina.com.cn/p/news/c/v/2011-07-25/010461423185.html
 ——列車の残骸を「葬る」うわさについて、報道官は「証拠隠滅と言われているようだ。そんなばかな。私は飛行機に乗った時にも言った。世界中に注目されている事件なのだ。隠滅できるとでも思っているのか。そんなはずはない。何故葬ったのか。私は現場の人に聞いた。彼らの答えは、高架橋上の車体を下ろすように、地ならしをしていたためなのだ」。
 その答えから分かったことは、1)列車頭部を確かに埋葬したこと。2)当の報道官も事前に情報は知っていなかったようだ。ということは、誰が命令を出したのか、真相はまだ明らかにされていない。
 ただ、本日午後のミニブログで明らかにされた情報では、中国ではこれまでにも脱線事故が起きてから、頭部を埋葬する処理は現場で行なわれていたようだ。それは、証拠隠滅というよりも、そのような処理手順になっているというものなのか、どうか。もしくは、「二度とここで事故が起こらないよう、埋めてしまえ」という迷信なのか、それとも何か訳でもあるのか…
 謎が解けてない。
 そのことから、今回の件に戻ると、実は事故原因はすでにはっきり究明された。発表されていないにせよ、損壊のひどい頭部は壊してもよいという判断ができたかもという憶測もある。

3)鉄道関係者の語り、技術に詳しい人の分析から少しずつ判かになっていることがある。
  ある列車操縦士の話では、「高速列車だけでなく、普通列車でも絶対に起  こりえない事態だ」として、その詳しい分析をしていた。
  また、事故車両の操縦士と後方マスターとの通信記録もネットですっぱ抜かれている。それによると、同じ区間に停車している車両が前方にある情報は後続車両の操縦士に伝えてあり、「気をつけて」と言われていたのに対し、「知道了」というやり取りの記録が残されていた。 
  それなのに、その直後に事件が発生したのだ。
  謎が一段と深まった。

4)死者の人数にまつわる謎も深まっている。
  午後になって、ようやく38人と公式発表された。
  最後に救助された2歳半の女の子・イイちゃん。杭州に帰省する両親に連れられて生まれて初めてイニシャルDの列車に乗った。両親は遺体で見つかり、イイちゃんは、「もう生存者はいない」と諦められていた車両の中から、事故発生20時間後に発見。憤ったイイちゃんの父親(温州某高校の国語教師)の友人は、ブログで「友よ、何でお前は死人の列にまで数えてもらうこともできなかったのか?」と題した書き込みを発表。泣かせる文章だった。
 イイちゃんの両親のミニブログ、そしてそこで発表された写真や娘の成長日記も転載されて、涙を誘う。
 http://blog.sina.com.cn/s/blog_6590e3830100v4o3.html
 
 これからはきっともっとたくさんの遺族の悲しい物語が明るみになってくるに違いない。
 ちなみに、イイちゃんは病院で手当てを受けた後、今日目が覚めて、意識が戻ってきたが、左足の切断手術をするかどうか、医師が判断しかねるところのようだ。両親がもういないことはまだ知っていない。

 なお、政府から死者の名前が公表されないのに対し、ネット版名簿が転送されている。38人分まで整理されている。

5)免職にされた上海鉄道局の後釜は、以前、山東省で70人の死者が出た列車  事故で、重慶に飛ばされた官僚だったことが分かった。

6)ネチズンが自発的に行なった「事故処理に満足しているか」のアンケートでは、すでに7万人以上が参加し、このうちの93%が「ひどすぎる。人命を野草のように刈る」を選んでいる。

7)メディア管理の台所事情が暴かれた。
  掲載されると削除される報道方針だが、削除されるとまた掲載されている。昨日にもまして、手綱が厳しくなっているようだ。

8)本日にも普通通行が一部開通した驚異の復旧速度に批判の声が集まっている。新華社の写真はありのままの様子を記録した。気持ちよくこの写真を眺められる人は恐らくいないのではと思う。
 

 バーチャル空間ではあるが、しばらくは戦いの日々が続くようだ。
http://weibo.com/zt/s?k=7765&pos=0&t=tips&page=1&hasori=1