翻訳泣かせ〜“企穏”

ニュースの翻訳をしている。
また出てきた、“企穏回升”。
しかも温首相の述べた話。


“回升”は普通の表現なので、問題なく理解できる。
しかし、“企穏”は30数年の人生で初めてみた表現。
それがいつの間にか、政府の主流メディアで市民権を得ている。
“市民の一人である私にことわりもなく”と怒りたくもなるが、
“待て。ひょっとしたら知らないのは私だけなのかな」と思って、
回りの同僚に確認してみた。
その結果、“どういう意味?”ーー皆、株や金融に詳しくなく、
聞いたことがある人はいなかった。


やれやれ。百度の「知道」で調べてみたら、幸い、解釈が出てきた。

http://zhidao.baidu.com/question/24661744.html?si=1
“企稳是粤语,站稳,股票中指股票不再大起大落,慢慢稳定呈上升状”
“当股价跌到某一位置(区域),受到支撑或者跌不下去的时候,就是说股价企稳了”


そうだったのか、広東語だったのか…
だったら、何故共通語を使わないのか…
“站稳”で縁起が悪いわけでなし。
(もしも“触底”という言葉に、そういう恐れがあるとすれば)、
経済の専門家は言うに及ばず、一般市民の誰でも分かるはずなのに…


ただでさえ分かりにくい経済情勢なので、
専門家しか分からない表現をどうか、分かりやすく言い換えてくれないかな…


ちなみに、日本語には「下げ止まり」
(下がり続けていた株価が、ある水準で止まって、それよりも下がらなくなること)
という表現があるが、“企穏”にぴったりじゃないのかな。
外国語のほうが母国語よりも分かりやすいということは
やはり悲しいことだ。